一種の愛情

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らしの片鱗が残

があって、その背後には仏壇や神棚があり、家の先祖や鎮守の神が祭られている。そして、座敷には、立派な神棚があって、伊勢神宮や八幡神社、春日神社、鹿島神宮といった有名大社のお札が祭られている。

 土間のカミガミや、板間の先祖、鎮守の神は、一家の主婦が祭るが、座敷の神は一家の主人が祭ることになっていた。日本中の神々が集まるという神無月にも、土間のカミガミは出向くことはなかった。

 土間の暮らしは、弥生時代以来の、掘立小屋の伝統が残っており、板間には、寝殿造りの暮らしの片鱗が残っている。また、座敷の暮らしには、室町時代以来の武家の書院造りの伝統が息づいている。日本の民家には、このような日本の長い歴史が集約されているというわけである。

 問題は、土間と板間と座敷にそれぞれ祭られている、神仏の相互関係にある。結論だけをいえば、これら三者には、密接な相互関係がある。それは一言でいえば、身近なカミガミから、より遠く普遍的な神仏へ、という図式なのである。

 日本人は、身近で親しみのあるカミから、そのカミを通じて、霊力の強い神仏に連なり、さらにもっと遠くの、しかしいっそう強力な霊威に服する、といった信仰の段階を組み合わせて暮らしてきたのである。むつかしくいえば、特殊と普遍の組み合わせということになろう(詳細は、拙著『法然の衝撃』、『国家主義を超える』参照)。

 神と仏の関係も、同じである。神々には、この世のことを願い、仏たちには、神々の導きによって、あの世や来世のことを願うという暮らしをしてきた。そこには、神仏の間で一種の棲み分けがあったといってもよいだろう。

 いずれにしても、身近な存在からはじまって、だんだんと見知らぬ、しかし霊威の強い神仏へと広がって行くという構造が、日本人の精神生活の大きな特徴であったといわねばならない。

 このように、一家のなかに存在する神仏は、一見雑然と祭られているように見えるが、明らかに一つのシステムを構成していたといえる。そして、そうした特殊と普遍というシステムは、一つの家のなかだけではなく、一つの部落のなかの神仏のあり方にも貫徹していた。

 こうした、特殊と普遍という組み合わせからできていた信仰のシステムが、大幅に変更を余儀なくされたのが、明治維新によって出現した「天皇崇拝」を中心とする「国家神道」の成立にほかならなかった。

 明治維新は、何度も繰り返しているように、天皇中心の政治体制を作り上げることがねらいであり、神々の世界においても、天皇の祖先神であるアマテラスを唯一絶対的な神として、大規模な再編が行われるようになった。

 そのために打ち出された政策が、「神仏判然令」、つまり廃仏毀釈であり、また「神社合祀令」なのであった。この結果、まず、神社から一切の仏教色が一掃され、その余波が、地方によっては仏教寺院の全面的破壊、僧侶の強制的還俗にまで進んだ。

 この段階で、仏は神という手足を失うことになり、現世でどのように活動すればよいかが分からなくなった。神も、それまでは仏に任せていた、来世の保証という領域を引き受けねばならなくなった。しかし、伝来の分業が廃止された後の、このような課題は、神仏ともに、ついに今にいたるまで十分な解決を見るにいたってはいない。仏教の主流は、依然として「葬式仏教」の道をひた走っており、神々は、相変わらず、死穢の問題を解決できずに、死後の問題を棚上げにしたままである。

 「神社合祀令」は、全国の神社を、「天皇崇拝」にとりこむものと、そうでないものとに、あらためて篩にかける政策であった。アマテラスを絶対神として、伊勢神宮を頂点とする神社組織が新たに設けられ、その組織には、中央政府によって任命された神官が、天皇の官僚として天下ってくることになった。世襲の神主は、国家の祭祀を私有するものとして廃止された。問題は、官僚としての神官を、全国の神社に配置するには、予算に限度があるため、神社の方を整理して、一地域に一つの神社を置くという、神社の統廃合を実施することになった点にある。

 神社を政治的に統合整理することは、身近で親しい神々の否定につながった。今まで村の氏神として厚い信仰を得ていた神社が、突然他村に合併されるのである。合併後もはるかな道のりをたどって、その氏神に詣でることができるであろうか。身近な神々を失ったあとには、新たな「天皇崇拝」が強制する、見も知らぬよそよそしい神々が待っていた。

 加えて、神々は、国家によって正統とされるものを除いて、多くが淫祠、つまり、いかがわしい神々というレッテルが貼られて、その信仰が禁止されてしまった。また、文




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